宮古の正月は「クルミもーず」がないと始まりません。何はなくても宮古の正月の味のだと思うのです。上京してきた頃、「雑煮にはクルミ」というのが絶対にもゆずれない常識で、甘味屋で頼んだ雑煮にクルミだれが付いていないのが不思議でなりませんでした。雑煮自体は吸い物仕立てで、大きな違いはありません。都会の人は雑煮だけで、もちをよく食べれるなと思ったぐらいです。
「雑煮を食べ汁を飲み、おもちを出して甘いクルミだれをたっぷり漬けて食べる」
「クルミだれには雑煮の汁を入れる」「いやいやお煮しめのつゆを入れるのが正しい」
「どーごのでーに煮ボシでとった出汁でのばさねーばだめなんだーが」などなど、
諸説紛々、宮古でも各地域でかなり違いがあるようです。
かつて宮古ではこの伝統の正月食を食べるために、暮れになるとクルミの割る・剥く・擂るなどを家族で分担し行なうのが恒例でした。雑煮の具を食べ、もちが出てきたらおもむろに甘いくるみだれをたっぷり漬けて口に運ぶ。雑煮の味と反対方向にある濃厚な甘さを感じて、ああ今年も正月が来たなと思うのでした。こうしたスローフードにも共通するすばらしい郷土の食文化がいまもあるのでしょうか。都会暮らしのわが家では、毎年実家から地クルミのできたてのたれを送ってもらっています。

ああそういえば「ごまもーず(ごまもち)」も忘れてはいけないですね。
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