宮古の新巻鮭といえば写真のように鼻が曲がった大きな干物の感がありますが、北海道のものは違います。元来、新巻鮭は「荒巻き鮭」。内臓とえらを取った鮭の腹内側に大量の塩を詰め外側の皮の部分にも塩をすり込んで、荒縄で巻いたものを言うそうです。一般的に流通しているものは塩引きといい、見た目も作り方も明らかに別物。むしろ将軍家に献上されていたという新潟県村上市の荒巻鮭に近いようです。村上では秋、三面川で取った鮭を1週間ほど塩漬け、5〜6時間流水で塩抜きし、頭を下に吊して乾燥させて作る。塩をして天日に干す方法は「古式荒巻鮭」と呼ばれ、宮古の鼻曲がり新巻鮭もそこに原点があるようです。ある資料には〈山漬け〉とあり、自然の中でじっくり熟成させる、伝統的な製法とありました。とにかく手間と塩加減と風と太陽で決まるといいます。ただし村上とは違い宮古は献上ものではなかったので腹は全部割いてあるし頭を上にぶら下げてあるけれど。宮古の友人に聞いたところ新巻の材料には川に近いところで獲れたぶな鮭の方が適度に油が抜けていいとのこと。うちでは干してあるのを尻尾側から順々に切って食べていたが乾燥が進むにつれて味の変化も楽しめました。また夏、かちんかちんになったのを削りながら炙って食べるとお酒のあてには最高です。あるネットサイトには脂ののった銀鮭で作った特製新巻が載っていたが、干していると下に脂がたれてくるそうです。超こだわり銀鮭の新巻として売っていましたがはたしてどんなものでしょう。個人的には、いかつい顔をした鼻曲がりの新巻の方がおいしいような気がします。

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