「鮭を生で食べてよいのか?」という話が出て、ふと小学校の頃を思い出しました。少し肌寒いぐらいになった休みの日、父がどこからか、どでかいメス鮭を仕入れてくる。出刃包丁とハラコを入れる蓋付きの器を出し、包丁を研ぎ、やおらおろし始めるのです。ハラコを傷つけないようにお湯でほぐし醤油と酒で漬け込みました。身は三枚におろして冷蔵庫へ。これがしばらくの間、夕餉のメインディッシュになるのです。このとき、父は骨についた身をスプーンで丁寧にこそげ取っていつもハラコと一緒に入れていました。「生の鮭さは、虫がいっけど酒と醤油でやられる」とも言っていました。今考えるとまったく根拠のないことですが。でも家族全員1度も当たったことはありません。生鮭はルイベにして食べるというのが鉄則でしたが、「サーモン」と呼び名が変わった最近の輸入物は生でOKなんですね。郷土料理の「紅葉漬け」というイクラと身を漬け込んだものがあるようですが、父はそれを知っていたのかどうか。でもハラコのプチプチの間にある醤油の染みた身も絶品でした。18歳以降、食べていませんが、ついつい、思い出してしまいました。

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